ののわ

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この地域の魅力を「発見」「発掘」「発信」していきます。

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ブックカフェと展示スペースを持つ不思議な古本屋 ― 点滴堂さん

 JR三鷹駅の北口を出て5分ほど歩いたところに、赤をモチーフにした小さな立て看板がある。
ナース姿の少女が描かれた、なんとも愛らしい看板である。

 何だかすごく可愛いものばかり置いてあるけれど、何の店だろう?
ふむ、古本屋らしい。本が好きだから入ってみたい。。。
でもちょっと入り辛いなぁ。。。
店の看板の前を素通りする事、数回。

 ある日意を決して急な階段を登ってみた。
本棚に見立てた急な階段の脇には幾種類ものフライヤーやポスターが貼られており、目を楽しませてくれる。
階段には背表紙の美しい本が飾られていて、なんとも乙女心をくすぐる装飾だ。

 店内に入ると、まるで「不思議の国のアリス」の世界に紛れ込んだような空間が広がっていた。
決して広いとは言えないが、天井近くまである書架にはぎっしりと本が並べられ、白を基調とした内装が落ち着きを醸し出している。

 カフェ、そしてギャラリーを兼ね備えた古書「点滴堂」さんだ。

 色とりどりの美しい絵本、少女の頃に読んだような漫画本や小説の他、
ちょっと普通の古本屋には置いていないような珍しい本が置いてあったりする。
例えば少女雑誌「ジュニアそれいゆ」や、大正浪漫あふれる竹久夢二に関する本など。

 オーナーはさぞや気品溢れる女性かと思っていたが、実は物腰穏やかな男性オーナーだった。

自分の好きなものを集めてみました

 オーナーの稲村光男さんに、この場所にお店を開いたきっかけを聞いてみた。
「お店は1年半位前にオープンしました。
この場所に店を開いた直接のきっかけは近くに引っ越して来た事ですが、
何よりこの場所が気に入ったんです。環境が良く、窓から緑が見えます」

 取材に訪れた日は快晴で、仰る通り窓から見える木漏れ日がまばゆく輝いていた。
窓から心地よい陽射しが差し込み、白色を基調とした店内を穏やかに照らし出す。
まるでここだけ違う時間が流れているような、ゆったりした魔法の空間である。

 「住みたい街ナンバーワンと言われる吉祥寺は賑やかすぎて、逆に落ち着かないんです。この辺りはまだ静かで、心地の良い武蔵野の雰囲気が残っていますね」

 お店はカフェも併設しており、珈琲をいただきながら店の本の閲覧ができる。
本の購入も、もちろん可能だ。

 女性客ばかりのイメージを持ちそうだが、
「割合は少ないですが、男性のお客様もいらっしゃいます。
民俗学歴史書などの硬めの本も置いてあるのですが、そう行った本をお買い上げいただくこともあります」と稲村さん。

 取材当日も男性客がいらっしゃったのだが、やはりそのお客様も
硬派な本を購入され、コーヒーを召し上がっていかれたようだ。

 置いてある本はどうやって選んでいるのだろう?
「特にジャンルは限定していません。気まぐれで選んだ本ばかりです」とのこと。
「自分が手ごたえを感じる本や、好きになれそうな本を集めました。
世間では売れない、忘れられているような本でも、新たに魅力を見つけてもらえたらと思っています」

 店内のあちこちにキュートな雑貨がセンスよく飾られている。
「自分が可愛いと思う物、好きな物を集めて置いただけなんです」

 オーナーの意気込み、と言うかこだわりや強い思いがひしひしと伝わってくる。

毎月変わる企画展

 もうひとつ、注目すべきは定期的に内容が変わる企画展である。

 小さなスペースだが、十分に楽しめる内容である。
取材当日(2014年10月)は、ちょうど「青い鳥青い花」と言う企画展が開催されており、青を基調とした美しいアクセサリーやイラストが展示されていた。

 企画展の詳細を尋ねてみた。
「ほとんどはまず、タイトルを決めてからその内容にあった作家さんにお願いして作品をおいていただいています」
「有名でなくとも、ユニークな作家さんや、他の人にも知って貰いたいと思う作家さんを選んでいます」
ギャラリーは定期的に内容が変更されるので、訪れる度に違う内容の展示を楽しむ事ができる。

本と珈琲、そしてギャラリー

 今後のお店の展望や、今後の展開を聞いてみた。
「規模はこれ以上大きくする予定は今のところありません」と稲村さん。
「そうすると、手が回らなくなる可能性がありますから。
できるだけ手を抜かずにやりたいので、これ以上メニューを増やしたり、規模を大きくはしたくないんです」

 稲村さんが特にこだわって大切にしているものは「本」「コーヒー」「企画展」の3つ。
「どれも自分が納得の行く内容でやって行きたいです」

 お客さんは近辺のご住人ばかりかと思いきや、
「実はご近所よりも、地方からいらした方が多いのです。HPなどをごらんになってわざわざいらして下さるみたいです。嬉しいですね。意外とこの本屋の存在を気付いていない地元の方が多いのかもしれません。もっと地元の方に来て頂きたいですね」

 話を聞いていても、稲村さんが本当にこの店を愛していて、三鷹の地が好きだということを感じられる。

 最後にお店の名前「点滴堂」の由来は何ですか?と聞いてみた。
「実際にお店を訪ねて、直接私に訊ねてみてください」

 店の名前の由来を聞きに、次の休日の昼下がりにでもふらっ、と点滴堂さんに寄ってみてはどうだろうか?
丁寧に淹れられた珈琲を飲みながら、ゆっくり気に入った本のページを捲ってみる、そんな休日の過ごし方も悪くない。

(編集/テキスト/撮影 宮本早苗)

【information】

「古本 ギャラリー カフェ 点滴堂」
東京都武蔵野市中町1-10-3 2F
アクセス=三鷹駅北口から徒歩5分
電話=090-6796-5281
営業時間=12:30~21:00
定休日=月曜日・火曜日
http://tentekido.info/

宮本早苗(地域ライター)
駆け出しです。よろしくご愛好の程お願いします。

<気になるコト>
変な人形、変わった物

※2014年11月20日現在の情報となります。

赤い看板

お店に続く急な階段

オーナーの稲村さん

店内の様子

店内で開催されているギャラリー

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