ののわ

地域のみんなで探す 伝えたい"ののわ"

地域の人がライターとなり、自分のコトバで、
この地域の魅力を「発見」「発掘」「発信」していきます。

記事詳細

『武蔵境の元気を支える「すきっぷ通り商店街」』

たまたま引っ越してきたら商店街の理事に

武蔵境駅の北口に出ると正面に「すきっぷ通り」と書いた看板が見えます。武蔵境駅前商店街協同組合、通称「すきっぷ通り商店街」の入口です。さまざまなお店が軒を連ねる通りの長さは約200m。亜細亜大学や武蔵高等学校の通学路でもあるので、日中は人通りが多くにぎやかです。

「通りが舗装されて、すきっぷ通りという愛称ができたのは1989年(平成元年)。商店街ができたのはさらに昔の1974年(昭和49年)で、商店街の町並み自体はもっと昔からありました。。僕が何代目の理事かはわからなくて…すみません」と話すのは、2011年から商店街の理事を務める星山孝明さん。

星山さんは大手ゲームメーカーへの技術協力や、自社製のアプリ開発を行う会社を経営。2009年、すきっぷ通り商店街に「なぜかたまたま事務所を構えた(笑)」のを機に、武蔵境を舞台とするユーザー参加型のサウンドドラマ「アクティブサウンドドラマ『すきっぷ通りのコロピックル』」を制作することに。そのドラマの中に実店舗や商工会議所を登場させるため、挨拶をしに組合事務所を訪ねたのが商店街と関わるきっかけになりました。

「商店街組合は、商店街でお店を出している人の組合というイメージがあって。それまでお付き合いがなかったんですが、挨拶に行ったら『ここで商売しているのなら組合に入ったほうがいいよ』という話になって、入ることになって(笑)」。それから2年後に理事になるとは、そのときは思いもしなかったそうです。

商店街と街を好きになるきっかけを仕掛けたい

「『すきっぷ』って、名前がユニークですよね。ツイッターで『すきっぷ通りで、スキップした』なんていうつぶやきを見つけるとうれしくて。若い人からお年寄りまで幅広い人に利用されて、いつまでも親しまれる商店街であってほしいです」。

1989年に通りを舗装した際に愛称を公募し、「好き」と「切符(駅前だから)」を合わせたという「すきっぷ」を採用。その愛称のように皆にいつまでも好かれる通りであるよう、商店街ではさまざまなイベントを行っています。「5月は武蔵境ピクニック、夏は武蔵境舞祭、サマーセールや歳末セール。武蔵境活性化委員会が行うイベントと連動して何かを行うこともあります」。

「武蔵境ピクニック」は、商店会や大学、市民団体や消防団など地域の22団体による実行委員会方式で運営され、地域が一体となって開催。イベント通貨とマップを持って街中を歩くスタンプラリーショッピングが人気の参加型イベントで(事前申込み必要)、商店街がチェックポイントになりプレゼントを用意しています。

「武蔵境舞祭」は商店街で行う最も大きなイベントで、武蔵野市と友好都市である山形県酒田市の「花笠踊り」や地元小学生の子ども囃子が披露されます。お祭り終了後には商店街加盟店による2時間限定のサプライズセール「お店もフェスタ!」も。すきっぷ通り全体がお祭り会場になります。

「僕がそうだったんですけど、商店街と関わる前は、商店街に対する意識って特になかったんです。お店が閉まっている朝に仕事で都心へ行って、またお店が閉まっている夜に帰ってくる。だから、すきっぷ通りの雰囲気がわからないんですよね。きっとそういう人っていっぱいいるだろうなって思うんです。そういう人達や周辺の大学や高校に通う学生さん達にも商店街や街を意識してもらえるような、愛着をもってもらえるような何かを仕掛けていけたら、と」。

「皆に絡んでほしい」ツイッターでマメに情報を提供

2年前に星山さんが理事なってから新たに始めたことは、商店街の希望店舗の広告を無料で行える「プレモ」というモニターの開発と、ツイッター。

「プレモ」はプレハブモニターの略。テレビモニターとパソコンを使ったシステムで、8:30~23:00の間、お店のセール情報やミニ情報、星山さんが考えたクイズなどを流しています。「この商店街を通ってもらうきっかけになれば。最初は通りすがりにチラッと見ていただくだけでもいいんです」。

ツイッターを始めたのも、マメに商店街や街の様子をつぶやくため。「米粉パンのこめひろさん、定休日が日曜日から月曜日になっていました。日曜日に買いやすくなってちょっと嬉しい」といったお店情報だけでなく、風が強い日は「立て看板や自転車が倒れたりしているので、ご通行の際はご注意ください」と呼びかけたり、絵文字つきで「酔っぱらって真夜中に奇声を発するのは止めてくださいね」とさりげなく注意するときも。「商店街組合に消費者の方からの要望が直接くることはないので、若い人が気軽に意見を言えるような、絡める状況を作りたい。ちょっとした意見が何かのヒントになるかもしれないですから」。

歳末セールやサマーセールで行う「くじ引き」に対して「5等賞がいつもティッシュだけど、10円でもいいから金券にしてほしい」という要望があるとすぐに実現。その結果、金券を使って買い物をする人が増えるという効果があったそうです。

開発した「むさし境サイダー」が人気に

星山さんは、2012年5月に発売されたすきっぷ通り商店街のご当地サイダー、「むさし境サイダー」の開発も手掛けました。商店街の入り口にあるコンビニエンスストアの店長さんからの「ご当地サイダーを作りませんか?」という提案がきっかけです。

商店街組合で話し合ったところ、「それはおもしろい」とトントン拍子に話は進み、昭和4年創業のラムネ屋さん(東京飲料合資会社)に依頼。ラベルデザインは星山さんの奥さんの友人でイラストレーターのいしぐろゆうこさんが担当しました(いしぐろゆうこさんとご当地サイダー「むさし境サイダー」のラベルデザインの経緯は、エリアマガジン「ののわ」4号でも紹介しています。ぜひ合わせてご覧ください)。

どこか懐かしい「ほどよい甘さ」が特徴で、1本170円(340ml)。地元のイベントに合わせて販売をスタートしたところ、4日間でなんと初回入荷の約800本を完売するほどの人気に。商店街のツイッターを見た新聞社から取材依頼がくるなど、メディアにも大きく取り上げられ、売れ行きは絶好調です。「こんなに売れるなんてびっくりです。在庫がなくなってお客様に迷惑をかけたりしましたが、反響があるとやりがいを感じます」。

サイダーのように、何か新しい提案があれば柔軟に対応したいという星山さん。そこには星山さんの娘さんへの思いもあるといいます。「武蔵境は僕にとっての地元ではなく、たまたま流れついた場所。でも、娘はここで生まれて、ここが故郷です。これは一生変わらない。じゃあ、娘が大きくなったときにこの場所をどう思うか? いつかここを離れてまた戻ってきたときに、さびれてシャッターだらけの商店街だったらさみしいですよね。今、生活している学生さんもそうです。『大学時代に4年間ずっと住んでいたな』と立ち寄ったときに、いい意味で変わっていて、今よりもっと元気になっていたらうれしいんじゃないかなと。そう考えたら、今できることをしていきたいなって思うんです」。

(編集/テキスト 地域ライター 石川 理麻)

【 information 】

すきっぷ通り商店街(武蔵境駅前商店街協同組合)
〒180-0022東京都武蔵野市境1-2-4 タウンコート武蔵野102
問い合わせ/0422-52-4044
Twitter @skipstreet_stg

※2013年3月20日現在の情報となります。

ご当地サイダー「むさし境サイダー」

すきっぷ通り商店街が開発したご当地サイダー「むさし境サイダー」。商店街入り口にあるファミリーマート武蔵境北口店で販売しています

プレモ

商店街にある「プレモ」(プレハブモニター)。お店の宣伝や星山さんが考えたクイズなどが流れています

武蔵境舞祭

商店街の主催で2004年から毎年8月に開催される「武蔵境舞祭」。お祭り終了後には2時間限定のサプライズセールとして、商店街加盟店による「お店もフェスタ!」も開かれます

星山さんと歩未ちゃん

星山さんと娘さんの歩未ちゃん。「武蔵境は吉祥寺と違って遊びにくる街とは言いがたいですが、住むにはとても気持ちのいい街。引っ越しを考えている人はおすすめですよ」

一覧に戻る

ページトップに戻る

nonowa

みんなの「ののわ」

みんなの「ののわ」

二カ月に一度、「オトナリatたちかわ」の楽しみ方

立川の子ども未来センターの芝生広場で、偶数月の第一水曜日にちょっとかわったLIV…

詳細はコチラ >

みんなの「ののわ」

みんなの「ののわ」

スープ・カフェ「なんでもない日」
~温かな思いをスープに込めて~

立川市にある根川緑道は小川の清流に沿って続く約1、3kmの遊歩道で、春には250…

詳細はコチラ >

みんなの「ののわ」

みんなの「ののわ」

「なぜ、こんなに熱中できるんですか?」
~株式会社ヨシリツ「LaQ」イベント編~

7種類のピースから平面、立体、球面へと発展する、シンプルで奥深い面白さがファンを…

詳細はコチラ >

JR東日本:東日本旅客鉄道株式会社
Suicle(スイクル)
駅から歩くウォークラリー「えきぽ」